この記事の結論

ランチタイムコンサートは、次の5つをこの順番で決めれば始められます。

  1. 回数:年4回(季節ごと)か、年12回(月1回)か
  2. 時間:12時15分ごろから30分が基本
  3. 音量:吹き抜けの上の執務フロアに届かない上限を、最初の回の前に一緒に確かめて決める
  4. 告知:サイネージ・メール・エレベーターの掲示と、当日の朝・開始15分前の声かけ
  5. 費用:演奏者の人数と回数で決まる。お試しの1回から始められる

迷ったら、まず「お試しの1回」を開き、聴いた人数を数えてから年間の回数を決めるのがいちばん失敗しません。

ランチタイムコンサートとは

ランチタイムコンサートは、平日の昼休みに、ビルのアトリウムやロビー、公開空地で開く30〜40分ほどの短い演奏会です。働く人がお昼を買ったついでに立ち寄り、途中から聴いて途中で帰れるのが特徴です。

ホールの演奏会とちがい、聴く人は「わざわざ来る人」ではなく「通りかかる人」です。だから、曲の選び方・時間・音量・告知の考え方が、ふつうのコンサートとは変わります。

決めること① 回数:年4回か、年12回か

最初に決めるのは回数です。回数が決まると、予算と、担当者の手間が決まります。

年4回(季節ごと) 年12回(月1回)
良いところ 予算を抑えやすい。1回ごとに季節の特別感を出しやすい 「毎月第○水曜」と覚えてもらえる。ビルの習慣になる
気をつけること 「次はいつ?」を覚えてもらいにくい 毎回の告知と手配の手間が増える(まとめて外に任せると楽)

おすすめは、1年目は年4回、聴いた人数が増えてきたら2年目に年12回へ、という順番です。

春夏秋冬 月1回 聴く人が増えたら 1年目:年4回2年目:年12回

年4回の公演表の例:4月 新しい仲間を迎える春の弦楽/7月 夏のボサノバ/10月 秋のアコースティック/12月 クリスマスの合唱と弦楽

年12回の公演表の例:4月 春の弦楽/5月 ジャズ・トリオ/6月 ピアノと歌/7月 ボサノバ/8月 お盆の週は休み/9月 映画音楽/10月 アコースティック/11月 ゴスペル/12月 クリスマスの合唱と弦楽/1月 新春の和楽器/2月 ラブソング/3月 卒業と旅立ちの歌

毎回ちがう編成にすると、「次は何だろう」が生まれます。年12回の公演表の作り方と、演奏者の手配までの一式は、ランチタイムコンサートの定期開催のページにまとめています。

決めること② 時間:12時15分から30分

昼休みの人の流れは、12時ちょうどに外へ出て、12時10〜20分に戻ってくる形が多くなります。だから、開演は12時15分ごろ、30分で終わるのが基本です。

  • 途中から聴いても楽しめるように、1曲を短めにし、曲の合間の話は短くします
  • 12時45分に終われば、お昼を食べて席に戻る時間が残ります
  • 13時からの会議がある人も、最初の15分だけ聴いていけます
11:30 演奏者の入り・音の確認
11:45 館内の声かけ(開始15分前)
12:15 開演
12:45 終演・次の回の日付のお知らせ
13:00 撤収

決めること③ 音量:最初の回の前に、上のフロアで確かめる

アトリウムは天井が高く、音が上に抜けます。下では心地よい音でも、吹き抜けに面した執務フロアでは「会議の声が聞こえない」ということが起きます。ランチタイムコンサートが続かなくなる理由で多いのが、この音の苦情です。

決め方は3つです。

  • 生音を生かせる編成(弦・ピアノ・アコースティック)を中心にする
  • スピーカーは小さく、向きは客席の方(横)へ。上に向けない
  • 最初の回の前に、ビルの担当者と演奏者が一緒に上のフロアに行き、聞こえ方を確かめて上限を決める(15分で済みます)

そして「苦情が来たときの連絡先」と「その場で音を下げる手順」を、一枚の決まりにしておきます。

執務執務吹き抜け ステージ × 音は客席の方(横)へ。上には向けない

決めること④ 告知:届かなければ、だれも来ない

よくある失敗は「告知がテナントの社員まで届かなかった」です。ビルの管理会社から各テナントの総務に連絡しても、社員一人ひとりまでは届きにくいからです。

告知は「場所」と「時刻」を分けて重ねます。

  • 場所:館内のサイネージ、エレベーターの掲示、テナントの総務あてのメール(社内に転送してもらう一文を添える)
  • 時刻:1週間前、当日の朝、開始15分前の3回

最後の「開始15分前」の館内の声かけがいちばん効きます。お昼を買いに出る人の足を、そのままアトリウムに向けられるからです。

決めること⑤ 費用:お試しの1回から

費用は、演奏者の人数(ソロ・デュオ・トリオ・四重奏)と回数、そして告知や進行をどこまで任せるかで決まります。音楽ファーストでは、次の3つの段でお引き受けしています(税別)。

  • 小規模 15万円〜:お試しの1回(ソロかデュオ、30分)と、音の決まりの表・告知の文面
  • 中規模 50万円〜:年4回の公演表と、毎回の手配・進行・告知
  • 大規模 100万円〜:年12回の公演表と、毎回の手配・進行・告知、大きめの編成の回

このほか、既存の曲を演奏する場合は著作権の手続きが要ります。演奏者に出演料を払う催しは、聴く人がお金を払わない催しでも手続きの対象になるので、主催のビルとご相談のうえで進めます。くわしい料金と含まれるものは、ランチタイムコンサートの定期開催のページの料金の欄をご覧ください。

最初の1回の段取り表(6週間前から)

6週間前 回数(まずお試しの1回)と予算を決める。アトリウムか公開空地かを決める
5週間前 演奏者と編成を決める。公開空地で開く場合は、自治体への届け出が要るかをビルの側で確かめる
4週間前 上のフロアで音の聞こえ方を確かめ、音量の上限と苦情の連絡先を決める
2週間前 告知の文面をつくり、テナントの総務へメール。サイネージの画像を用意
1週間前 エレベーターの掲示。雨の日の扱い(屋内に移すか中止か)を決める
当日 朝の声かけ → 11:30 入り → 11:45 開始15分前の声かけ → 12:15 開演
翌週 聴いた人数(ビルで数えた数字)と、次の回への直しを一枚にまとめる
6週間前回数と予算5週間前演奏者と編成4週間前音量を確かめる2週間前告知を始める1週間前掲示・雨の扱い当日声かけ→開演翌週数えて、直す

「歌える回」で、テナントの垣根がなくなる

聴くだけの回に慣れてきたら、年に1〜2回、その場の全員で1曲歌う回を入れると、ビルの空気が変わります。

音楽ファーストを運営するたーなー先生は、ボイストレーナー歴30年、延べ5万人以上を指導し、企業研修では200名のコーラスをまとめてきました。初めて会う人どうしでも、30分あれば一緒に1曲歌えるところまで進められます。12月や3月の回に入れると、ちがう会社で働く人どうしが顔見知りになるきっかけになります。

よくある質問

Q. ランチタイムコンサートは、何人くらい集まれば成功ですか?

A. 人数より「前の回より増えたか」で見るのがおすすめです。毎回、ビルで数えた人数を記録し、時間・編成・告知を直していきます。

Q. 雨の日はどうしますか?

A. 屋内のアトリウムなら予定どおり開けます。公開空地など屋外の場合は、前日の正午に屋内に移すか中止にするかを決めておきます。

Q. 公開空地で開くのに、届け出は要りますか?

A. 自治体の決まりによって、届け出や登録が要る場合があります。手続きはビルの所有者・管理者の側で行うものなので、どの手続きが要るかは自治体に確かめてください。

Q. ホテルや商業施設のロビーでも同じようにできますか?

A. できます。お客様の層と時間帯に合わせて、編成と曲を組み直します。会場の写真を添えてご相談ください。

来年度の昼休みに、「今月は何の演奏だろう」という楽しみを。
アトリウムの写真を1枚お送りいただければ、年間の公演表の案をお返しします。

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