この記事の結論
会社のオリジナル体操は、①目的と時間を決める → ②曲の設計(長さ・速さ・区切り)→ ③作詞作曲と掛け声 → ④振付 → ⑤練習動画 → ⑥発表の日、の順に作ると、3か月ほどで毎朝続く体操になります。いちばん大事なのは「曲を先に設計する」ことです。長さは2分30秒〜3分、速さは動きに合わせて2段、全員で言える掛け声が1つ。この3つがそろうと、体操は続きやすくなります。
この記事は、社内のオリジナル体操を作りたい総務・健康経営のご担当者に向けて書いています。
1. なぜ「曲から先に」作るのか
多くの会社は、振付を先に作り、あとから合う曲を探します。ところが、フリー音源や既成の曲は長さと速さが振付に合わず、「曲を途中で切る」「動きを曲に無理に合わせる」ことになりがちです。曲を先に設計すると、次の3つが決まります。
- 長さ:朝礼の時間に入るか(毎日続くかどうかは、ここでほぼ決まります)
- 速さ:ゆっくり伸ばす部分と、弾む部分の切り替え
- 区切り:8呼間(いち・に・さん・し…の8つ)ごとに動きを変える場所
この「曲の設計図」を振付の担当に渡すと、振付は速く、迷わずに作れます。
2. 決める順番① 目的と時間を決める
- だれがやるか:人数・年齢層・服装(作業着・スーツ・制服)
- どこでやるか:事務所・工場の作業場・屋外・オンライン
- 何のためか:朝の目覚め・肩や腰をほぐす・チームの一体感
- 何分あるか:朝礼の中の何分か(3分以内にする会社が多い)
ここで「長すぎる」を防ぐのがコツです。5分を超える体操は、忙しい朝に飛ばされやすくなります。時間が足りない日のために、1分の短い版を最初から作る予定にしておくと続きます。
3. 決める順番② 曲の設計(長さ・速さ・区切り)
3分の体操なら、たとえば次のように4つに区切ります。
- 0:00〜0:30 呼吸と首(ゆっくり)
- 0:30〜1:30 肩・腕・体の横(ふつう)
- 1:30〜2:30 足・弾む動き(はやめ)
- 2:30〜3:00 深呼吸と締めの掛け声(ゆっくり)
速さは「ゆっくり」と「はやめ」の2段で十分です。速さを何度も変えると、覚えにくくなります。
4. 決める順番③ 作詞作曲と掛け声
曲には、会社の言葉(社名・理念の一言・製品・町の名所)を入れると「自分たちの体操」になります。いちばん効くのが掛け声です。「いち・に・さん・し」の代わりに、全員で言える短い合言葉を1つ作ります。声を出すと、体操が「静かな作業」から「みんなでやるもの」に変わります。
声を出すのが恥ずかしい社員が多い会社では、最初は合言葉1つだけにして、歌は音源に任せる形から始めます。ボイストレーナー歴30年・延べ5万人以上を指導してきたたーなー先生の考え方では、大人数で声を出すときは「最初の一声を小さく、短く、全員同時に」がうまくいく順番です。
5. 決める順番④ 振付
振付は、運動指導の専門家(理学療法士・健康運動指導士・ダンス講師など)と作るのが安心です。曲の設計図(区切りと速さ)を渡して、区切りごとに動きを当てはめてもらいます。体に不安のある方もいる職場では、「座ってもできる動き」を並べて用意しておくと、全員が参加できます。体操の効果をうたう言葉は、社内の案内でも使わないほうが安全です。
6. 決める順番⑤ 練習動画と音源
- 正面から撮った動画
- 鏡のように左右を逆にした動画(前に立つ人を見ながら同じ側を動かせる)
- 字幕で掛け声を出した動画
- 音源3種類:歌入り/掛け声だけ/音だけ
7. 決める順番⑥ 発表の日と、3か月後の見直し
全員で初めてやる日を「発表の日」として決めると、練習の目標ができます。発表の日は、前で一人が掛け声をかけ、全員がまねる形にすると、初日から声が出ます。3か月たったら、続いているか・覚えにくい所はどこかを振り返り、短い版の追加や区切りの入れ替えを考えます。
8. 4月から始める場合の段取り表
- 1月前半:目的と時間を決める(社内の担当を決める)/作る先に相談
- 1月後半:曲の設計(長さ・速さ・区切り・掛け声の案)
- 2月前半:作詞作曲、仮の音源で一度だけ振付と合わせる
- 2月後半:振付の仕上げ、本録音
- 3月前半:練習動画の撮影、管理職・リーダーが先に覚える
- 3月後半:各職場への配布、試しにやってみる
- 4月1日:発表の日
- 7月:3か月後の見直し
4月に間に合わせるなら、12月〜1月の相談がおすすめです。
9. 費用の決まり方と権利
費用は、曲の長さと数(1分の短い版も作るか)、振付の担当を外から頼むか、練習動画を何種類作るか、発表の日に指導の人が行く拠点の数で決まります。音楽ファーストの目安は、小規模15万円〜・中規模50万円〜・大規模100万円〜(税別)です。
作った曲と動画を、社内だけで使うのか、ホームページやSNSで社外に見せるのか、地域の行事で流すのかを最初に決め、契約書に書いておきます。既成の曲を使う場合は、使う場面ごとに手続きが必要になることがあります。
社歌を体操の曲に編曲する方法もあります(社歌のリニューアル)。新しく会社の歌を作るなら社歌の制作、避難の動きを覚える歌なら防災の歌・防災体操の歌のページもご覧ください。
よくある質問
オリジナル体操の長さは、どのくらいがよいですか?
朝礼で毎日やるなら2分30秒〜3分がおすすめです。時間が無い日のために1分の短い版も作ると続きます。
社歌を体操の曲にできますか?
できます。社歌の旋律を体操の速さに編曲します。社歌そのものを直したい場合は、社歌のリニューアルのページもご覧ください。
防災の体操も一緒に作れますか?
避難の動きを歌で覚える防災体操の歌があります。毎日の体操とは別の曲にするのがおすすめです。
社員が声を出してくれるか心配です。
合言葉1つから始め、歌は音源に任せます。発表の日に前で一人が声をかけ、全員がまねる形にすると、初日から声が出ます。
作るのにどれくらいかかりますか?
相談から発表の日まで、2〜3か月が目安です。
