この記事の結論
校内の合唱コンクールの審査は、5つの観点に分けると、審査員ごとのぶれが小さくなり、結果に納得してもらいやすくなります。①音程とハーモニー ②声のまとまり(響き・バランス) ③言葉(発音・歌詞が届くか) ④表現(強弱・テンポ・曲の流れ) ⑤ステージ(入退場・姿勢・指揮と伴奏との一体感)。講評は「良かった所を1つ」「次に一番伸びる所を1つ」「そのための練習を1つ」の3文で、どのクラスにも同じ量を返すのが基本です。
この記事は、校内の合唱コンクールの審査と講評を組み立てる音楽科・行事担当の先生に向けて書いています。クラスの練習の進め方は合唱コンクールのクラス練習の進め方をご覧ください。
1. 審査の5つの観点
| 観点 | 何を聞くか | よくある減点の例 |
|---|---|---|
| 音程とハーモニー | パートごとの音程、和音がそろっているか | 高い音で下がる、パートが主旋律につられる |
| 声のまとまり | パートの音量のバランス、響きが一つになっているか | 男声と女声の音量差、叫ぶような声 |
| 言葉 | 子音が聞こえるか、歌詞の意味が伝わるか | 語尾が消える、言葉が聞き取れない |
| 表現 | 強弱の幅、テンポの安定、曲の山の作り方 | ずっと同じ大きさ、走る・遅れる |
| ステージ | 入退場、立ち姿、指揮と伴奏と歌の一体感 | 前を見ていない、指揮を見ていない |
観点の数や名前は学校で決めてかまいません。大事なのは、審査の前に全クラスに観点を知らせておくことです。
2. 点数の付け方の例
- 5観点×各10点=50点満点。審査員が複数のときは、全員の合計で順位を出す
- 「表現」と「ステージ」は審査員の好みが出やすいため、同点のときに何を優先するかを先に決めておく(例:同点なら「音程とハーモニー」の点が高いクラスを上に)
- 課題曲と自由曲がある場合は、曲ごとに付けてから合計する
- 結果の発表の後に、各クラスの担任へ観点ごとの点を返すと、次の練習に使えます(順位だけ返すより、生徒の納得が大きくなります)
この配点は一例です。学校の評価の考え方に合わせてください。
3. 講評の書き方の型(3文)
- 1文目:良かった所を1つ、具体的に(「よかったです」で終わらせない)
- 2文目:次に変えると一番伸びる所を1つ(観点の名前を使う)
- 3文目:そのための練習を1つ(明日からできること)
例(音程とハーモニーが課題のクラス):「サビに入る前の強弱の変化が大きく、曲の山がはっきり伝わりました。次は、高い音が続く所で音程が少し下がる点を直すと、ハーモニーがもう一段そろいます。高い音の前で一度息を吸い直し、その音を全員で1音だけ長く伸ばしてそろえる練習をしてみてください。」
例(言葉が課題のクラス):「全員が指揮を見て、出だしがきれいにそろっていました。次は、歌詞の語尾が消えないようにすると、聞いている人に言葉がもっと届きます。歌詞を一度、リズムに合わせて声に出して読む練習を入れてみてください。」
- 優勝したクラスにも、最後のクラスにも、同じ3文の量で返す
- 講評は、審査員が口で言う版(1クラス1分)と、紙で返す版の2つを用意すると、当日の時間に収まります
4. 審査員を学校の外に頼むときの準備
- 観点の表と配点を、事前に審査員に渡す
- 曲名・クラスの順番・課題曲の楽譜(あれば)を1週間前までに
- 講評の時間(全体で何分か)と、口頭か紙か
- 結果の集計をだれがするか
- 審査員は「全クラスに同じ量の講評を返せる人」「行事の目的(順位より、クラスで一つのものを作る経験)を分かっている人」を選ぶ
音楽ファーストでは、ボイストレーナー歴30年・延べ5万人以上を指導し、テレビ東京『THEカラオケ★バトル』の優勝者・新人王・U18四天王の指導経験もあるたーなー先生のチームが、審査と講評のご相談をお受けしています。料金の目安は、小規模15万円〜・中規模50万円〜・大規模100万円〜(税別)です。
5. 審査の後の使い方
- 観点ごとの点を、来年の練習の目標にする(「来年は言葉で8点以上」など)
- 講評の紙を、卒業式・3年生を送る会の合唱の練習に使う
よくある質問
審査員は何人が良いですか?
3人以上の奇数にすると、1人の好みに結果が左右されにくくなります。校内の先生と外部の審査員を組み合わせる学校もあります。
伴奏者や指揮者は審査の対象にしますか?
別の賞(伴奏者賞・指揮者賞)にする学校が多いです。クラスの点に入れる場合は「ステージ」の観点の中で、歌との一体感として見るのが分かりやすいです。
講評で厳しいことを言ってもよいですか?
課題は1つにしぼり、必ず「そのための練習」と一緒に伝えます。課題をたくさん並べると、生徒は何から直せばよいか分からなくなります。
外部の審査員の費用はどのくらいですか?
音楽ファーストの場合、小規模15万円〜・中規模50万円〜・大規模100万円〜(税別)で、審査と講評だけか、事前の指導まで含めるかで変わります。学校の予算の時期に合わせてご相談ください。
審査の観点を生徒に事前に見せてもよいですか?
はい。見せたほうが練習の目標がはっきりします。観点の表をそのまま配ってかまいません。
