「今年の忘年会、社長が1曲歌うことになりました」「新年会の締めで、幹事が歌うのが恒例で……」。毎年11月から12月にかけて、こうしたご相談が増えます。

この記事では、ボイストレーナー歴30年、延べ5万人以上を指導してきたたーなー先生が、本番まで2週間で1曲を「人前で気持ちよく歌える」ところまで仕上げる手順をお伝えします。

結論:2週間あれば、1曲は仕上げられます

  • 1日目〜2日目:曲を決め、自分に合うキーを決める(ここで仕上がりの半分が決まります)
  • 3日目〜9日目:毎日10分の練習(息・ハミング・サビだけ・録音して聞く)
  • 10日目〜12日目:通しで歌い、録音して直す。立って、マイクを持って歌う
  • 13日目(前日):軽く1回通すだけにして、早く休む
  • 14日目(当日):声を出しておく、話しすぎない、最初の一声をはっきり

大事なのは「長い時間の練習」より「毎日少しずつ」と「キーを合わせること」です。歌が苦手だと感じている方ほど、キーと息の使い方を変えるだけで、聞こえ方が大きく変わります。

1日目〜2日目:曲とキーを決める

曲の選び方:3つの条件

  1. 何度も聞いたことがあり、メロディーを口ずさめる曲:2週間で新しい曲を覚えるのは、プロでも負担が大きい作業です。知っている曲のほうが、練習の時間を「上手に歌う」ことに使えます。
  2. 最高音が無理なく出せる曲(キーを変えて出せればよい):サビの一番高い音が苦しい曲は、本番の緊張で、さらに出にくくなります。
  3. 会場の皆さんが知っている曲:一緒に口ずさめる曲だと、会場の空気が温まり、歌う人の緊張もほどけます。忘年会・新年会では「うまさ」より「みんなが楽しめたか」が大切です。

キーの決め方

  • カラオケの「キー(音程)」の機能で、原曲から上げ下げできます。男性が女性の曲を歌う、女性が男性の曲を歌うときは、大きく変えてかまいません
  • サビの一番高いところを、キーを1つずつ下げながら歌ってみて、「張り上げなくても届く」ところに決めます。苦しくないほうを選んでください
  • 低すぎて歌い出しの声がこもるときは、1つ戻します
  • 決めたキーは、スマートフォンのメモに書いておきます。本番の会場で迷わないためです

たーなー先生のレッスンでは、最初に声の特徴(高さ・響き・息の量・話し声のくせなど)を見て、その人に合うキーと歌い方を決めます。声の特徴を100の項目で分析する「たーなーメソッド 100×100」の考え方です。同じ「高い声が出ない」でも原因は人によって違うため、まず合うキーを見つけることを一番に置いています。

3日目〜9日目:毎日10分の練習メニュー

忙しい方でも続けられるよう、1日10分にしています。お風呂上がりなど、続けやすい時間に決めてください。

  1. 息を吐く(1分):鼻から吸って、口から「スー」と細く長く吐きます。お腹の力で、息を一定に出す感覚をつかみます
  2. ハミング(2分):口を閉じて「んー」と、曲のメロディーをなぞります。のどに力を入れず、鼻や顔のあたりに響く感じを探します
  3. サビだけを歌う(4分):2週間なら、まずサビを仕上げることに時間を使います。歌詞を見ずに歌えるようにすると、顔が上がり、声が前に出ます
  4. 録音して聞く(3分):スマートフォンで録音し、1回だけ聞きます。気になったところを1つだけ選び、翌日に直します

うまくいかないときの目安

  • 高いところで声が裏返る → キーを1つ下げる
  • 息が続かない → 歌詞の区切りで息を吸う場所を決め、歌詞に印をつける
  • 歌い出しの音が取れない → 前奏の最後の音をハミングでなぞってから入る

10日目〜12日目:通しで歌い、本番の形にする

  • 1曲を最初から最後まで通して歌い、録音します。1日1〜2回で十分です
  • 立って、マイク(なければ、マイクに見立てたもの)を持って歌います
  • マイクは口から少し離し、口の正面に向けます。顔を上げて、会場の奥の人に届けるつもりで歌います
  • 間奏で何をするか(手を振る、ひとこと言うなど)も決めておくと、本番で間が持ちます
  • できれば一度、カラオケ店で本番と同じキーで歌ってみてください。家とは響きが違うので、慣れておくと安心です

13日目(前日):練習しすぎない

  • 前日に長く練習すると、当日に声が疲れていることがあります。軽く1回通すだけにします
  • 早めに休み、のどが乾燥しないように部屋の湿度に気をつけます
  • のどの調子がつらいときは、無理に練習せず休んでください

14日目(当日):最初の一声をはっきり

  • 会場へ向かう前に、ハミングで軽く声を出しておきます
  • 出番の前に、大きな声で長く話したり、乾杯のあとに盛り上がりすぎたりすると、声が疲れます。出番までは少し控えめに
  • 歌う前に、ゆっくり息を吐いて、肩の力を抜きます
  • 最初の一声を、はっきり出すことだけを意識します。出だしが決まると、そのあとは落ち着いて歌えます
  • 間違えても止まらずに続けます。会場の皆さんは、うまさより「楽しそうに歌っている姿」を覚えています

先生に見てもらうと、何が変わるか

自分で練習すると、「どこを直せばいいか」が分からず、同じところでつまずき続けることがあります。先生に見てもらう良さは、その人の声に合うキーと、直すべき1つ(息なのか、口の開け方なのか、響かせ方なのか)がすぐに分かることです。

たーなー先生は、テレビ東京『THEカラオケ★バトル』の優勝者・新人王・U18四天王を指導してきました。上場企業の社長・幹部の研修、大手クルーズ会社での大人数レッスン、企業研修での200名のコーラスなど、「人前で歌う・話す」場面の指導を数多く行っています。

社長・役員・幹事など、本番まで時間が限られた方の短期集中レッスンもお受けしています。オンラインで受けられるので、出張先や自宅からでも練習できます。

よくある質問

本当に2週間で間に合いますか?

知っている曲を選び、キーを合わせれば、2週間で「人前で気持ちよく歌える」ところまでは十分に目指せます。新しい曲を一から覚える場合や、高い音が多い曲の場合は、もう少し時間があると安心です。

1週間しかありません。

曲とキーを1日目に決め、サビだけを毎日練習してください。Aメロ・Bメロは、原曲を聞きながら口ずさむ程度でかまいません。前日と当日の過ごし方は、この記事と同じです。

カラオケのキーは、下げると恥ずかしくないですか?

恥ずかしくありません。プロの歌手も、自分の声に合うキーで歌っています。苦しそうに歌うより、無理のないキーで気持ちよく歌うほうが、聞いている人にも心地よく届きます。

社長が歌います。周りはどう支えればいいですか?

会場の皆さんが知っている曲を一緒に選び、サビで手拍子や合いの手が入るようにしておくと、歌う人が安心できます。間奏でひとこと言う時間を作っておくのもおすすめです。

オンラインのレッスンでも効果はありますか?

あります。声の出し方・キー・息の使い方は、オンライン(Zoom)でも十分に見られます。

何回くらいレッスンを受ければいいですか?

本番までの日数と、選んだ曲によって変わります。本番の日と曲をうかがってから、回数をご提案します。

会社のパーティーで生演奏や歌手の出演を頼みたいです。

いつまでに何を決めれば間に合うかは、12月・1月の本番の締切の早見表をご覧ください。

まとめ

  • 曲は「知っている・無理なく出せる・会場が知っている」の3つで選ぶ
  • キーは、サビの一番高いところが張り上げずに届くところに決める
  • 練習は毎日10分。息・ハミング・サビ・録音
  • 前日は練習しすぎない。当日は最初の一声をはっきり

本番まで時間が限られている方、自分の声に合うキーと歌い方を確かめたい方は、お気軽にご相談ください。

本番の日と曲を伝えて相談する(メール) LINEで相談する 相談フォーム

個人で続けてみたい方は、ATOボーカルスクールの無料体験(オンライン)もどうぞ。社内のカラオケ大会を企画する幹事の方は社内カラオケ大会の企画運営、毎月の歌の講座なら社員向け 歌の定期プログラムもご覧ください。

結婚式の余興・ご両親の歌の練習は、結婚式で歌うことになったらをご覧ください。

監修:たーなー先生(田中直人)。ボイストレーナー歴30年、延べ5万人以上を指導。テレビ東京『THEカラオケ★バトル』の優勝者・新人王・U18四天王を指導。テレビ東京『開運!なんでも鑑定団』エンディングテーマの作詞作曲(2021年・2025年)。運営:株式会社エートゥーナンバーレコード

この仕事を相談する