この記事の結論
生演奏を入れる会場には、電源・搬入・リハーサルの時間・控えの場所・音量の決まりの5つを先に聞いておくと、一度の連絡で済むことが増えます。近隣への音が心配なときは、音量を数字で決める前に「位置」「向き」「時間」「連絡」の4つを、会場の管理者と近隣の窓口に確かめるところから始めます。
幹事・総務の方が、会場に電話やメールをする前に使えるメモとしてまとめました。
会場に聞く5つの質問
- 電源:どこに、どれだけありますか(コンセントの場所と数、使える容量)。
- 搬入:搬入口はどこで、何時から入れますか(台車、エレベーター、階段の有無)。
- リハーサル:音出しの時間はどれだけ取れますか(前の予約の終わり、音を出せる時間)。
- 控え:着替えや楽器を置く場所はありますか。
- 音量:音量の決まりはありますか(時間帯、近隣、機材の制限)。
電話の前のメモ
- 催しの日付・時間・人数の幅
- 使いたい場所(広さ・天井の高さが分かれば)
- 5つの質問の答えの欄:電源/搬入/リハーサル/控え/音量
- 答えが出ないものは「未定」にして、いつまでに返事をもらうか
聞き方のコツ
- 「できますか」ではなく「どうなっていますか」と聞くと、会場の決まりを教えてもらいやすくなります。
- 聞いた答えは、日付と担当者の名前の頭文字を書いて残します。
- 変更があったら、前日にもう一度確かめます。
音量と近隣への配慮は、4つで決める
生演奏の音の聞こえ方は、会場の広さ、壁の有無、風向き、時間帯で変わります。地域の決まりや会場の規則も一つではありません。そのため、ここでは音量の数字は出さず、確かめる順番を表にしました。
| 決めること | 具体的に決める中身 | 誰に確かめるか |
|---|---|---|
| 位置 | 演奏の場所、近隣の建物との距離、音をさえぎるものの有無 | 会場の管理者 |
| 向き | スピーカーの向き、客席の向き、風上か風下か | 窓口、音響の担当 |
| 時間 | 開始と終了の時刻、音出しの時間帯、片付けの時間帯 | 会場の管理者、自治体の案内 |
| 連絡 | 近隣へのお知らせ(回覧、掲示)、当日の苦情の受け口 | 主催者、自治会などの窓口 |
3つの確認先
- 会場の管理者:音を出してよい時間帯、機材の決まり、近隣への連絡の決まりがあるか。
- 自治体の窓口(環境や催しを担当する課):屋外で音を出すときに、届け出や相談の窓口があるか。
- 近隣の窓口(自治会・管理組合・隣接の施設):当日の時間帯に配慮してほしいことがあるか。
当日までの流れの例
- 1か月前:会場の管理者に決まりを確かめる
- 3週間前:自治体の窓口と近隣の窓口に、日時と内容を伝えて希望を聞く
- 2週間前:位置・向き・時間を決めて、進行表に書く
- 1週間前:近隣へのお知らせ(掲示や回覧)を出す
- 当日:音出しの時間を守り、連絡の受け口を決めておく
期間は例です。会場や地域の事情で前後します。近隣の希望が分かれたときは、時間を短くする、向きを変える、屋内の代案を用意する、の順に考えます。アンプを使わない小さな編成にする選択肢もあります。
費用の目安は、小規模15万円〜・中規模50万円〜・大規模100万円〜(税別)です。会場の条件で機材や人数が変わるため、お見積りの前に内容を伺います。相談の時期は締切の早見表もご覧ください。
生演奏の音の大きさは、3つの言葉で決められます
音の大きさは、数字を知らなくても決められます。「小さな音量」「会話ができる音量」「全員で歌う音量」の3つから、その場面で人が何をしているかで選びます。
- 小さな音量(背景の音):食事や歓談、名刺交換のあいだ。隣の人と普通の声で話せて、演奏は「聞こえている」くらい。人が話しているときは、演奏が主役にならない音量です。
- 会話ができる音量(耳を向ければ聴ける):乾杯の前後や、席に着いている時間。話をやめなくても聴こえ、聴きたい人は少し耳を向ければ聴ける音量です。
- 全員で歌う音量(主役の音):会場の全員で1曲歌う時間。歌う人の声が埋もれない大きさで、演奏も歌を支える音。歌う時間だけ、一段上げる形にします。
場面ごとの選び方(早見表)
- 開場から開会まで(人が入ってくる):小さな音量
- 乾杯の前後:会話ができる音量
- 食事・歓談:小さな音量
- 舞台を見てもらう演奏:会話ができる音量
- 全員で歌う1曲:全員で歌う音量(歌う時間だけ)
- 締めの1曲:会話ができる音量、または全員で歌う音量
打ち合わせでの決め方
- 進行表1枚(時刻の紙)の各場面の横に、3つの言葉のどれかを書き込みます。
- 迷う場面は、小さい方の言葉を選びます。足りなければ、当日の音出しで一段上げます。
- 苦情が出そうな場所(隣の部屋、同じフロアの別の会、近隣)があれば、会場の担当の方に先に伝え、会場の決まりに合わせます。
当日は、音出しのときに会場の端の席で話をしながら聞いて、会話ができる音量かを確かめます。幹事さんが決めた言葉と、実際の聞こえ方が合うまで、演奏する側が調整します。途中で「うるさい」と言われたら、進行表に書いた言葉の一つ下の音量に下げます。下げる合図を出す人を、前もって1人決めておくと、すぐに対応できます。
演奏する人は、当日こう動きます(幹事さんが知っておくと楽な6つの場面)
演奏する人の動きは、到着、音出し、待機、演奏、転換、撤収の6つの場面です。幹事さんが場面ごとに1つだけ用意しておくと、当日の迷いが減ります。
- 到着:会場に着いたら、決めた入口で会場の担当の方に声をかけます。幹事さんがすること:会場の担当の方に、演奏する人が着く時刻と入口を前もって伝えておく。
- 音出し:楽器を運び入れたあと、音の大きさと響きを確かめます。幹事さんがすること:音出しをしてよい時間帯を会場と決めておく。開場前に済ませられるかを、お見積りのときに相談する。
- 待機:本番までは控え室で待ちます。幹事さんがすること:荷物を置ける場所と、水分をとれる場所を用意する。控え室がないときは、目立たない一角を決める。
- 演奏:合図を受けて始めます。幹事さんがすること:始める合図を出す人を1人決める(司会、幹事さん、会場の担当のどなたでもよい)。
- 転換・歓談:歓談のあいだは、音量を下げるか、休みます。幹事さんがすること:歓談の時間帯を進行表1枚に書いておく。
- 撤収:終わりを会場の担当の方に伝えて、楽器を片づけます。幹事さんがすること:片づけの出入り口と時間の目安を会場に確かめておく。
演奏の時間が押したとき、どの曲を飛ばすかを前もって決める3つの方法
当日に迷わないために、前もって決めておくことは3つです。(1)曲を「外せない曲」「入れられたら入れる曲」「飛ばしてよい曲」に分ける、(2)演奏を打ち切る時刻を決める、(3)短い版を用意する。この3つを紙に書き、幹事と出演者の窓口が同じものを持ちます。生演奏のある会は、あいさつが長引くなどで時間が押しやすいものです。
方法1 曲を3つの区分に分けておく
- 外せない曲:その会の目的に関わる曲。時間が押しても最後まで残します。
- 入れられたら入れる曲:時間に余裕があるときだけ入れる曲。
- 飛ばしてよい曲:押したら最初に外す曲。
全部の曲を「外せない」にしないことがポイントです。外せない曲を全体のうち少数にとどめると、当日に動かせる余地が残ります。
方法2 演奏を打ち切る時刻を決める
- 「この時刻になったら、次の曲に入らず終わる」という時刻を、会の進行表に書きます。
- 時刻は、会場の撤収の開始や、次の予定(送迎・片付け)から逆算して決めます。
- 打ち切りの合図を出す人(幹事または司会)と、受け取る人(出演者の窓口)を、あらかじめ決めておきます。
方法3 短い版を用意しておく
- 長い曲は、1コーラスだけで終わる短い版を、出演者と前もって決めておきます。依頼のときに伝えておくと、当日のお願いにならずにすみます。
- 短い版にするかどうかは、司会や幹事の合図で当日に切りかえられるようにします。
- 曲の長さを変えたときの、曲の紹介の言い方も、司会と前もってそろえておくと迷いません。
3つの方法の選び方
| 状況 | おすすめの組み合わせ |
|---|---|
| 会の進行が分刻みで、押すとあとの予定にひびく | 方法2(打ち切りの時刻)+方法1 |
| あいさつや来賓の話が長引きそう | 方法1(区分)+方法3(短い版) |
| 演奏の時間にゆとりがある | 方法1だけで足りる |
押したときの当日の動き
- 幹事が「押している」と気づく
- 幹事が出演者の窓口に、紙の区分で伝える(例:飛ばしてよい曲を外してください)
- 出演者が曲を外す
- それでも押すときは、短い版に切りかえる
- 打ち切りの時刻になったら、次の曲に入らず終わる
曲目が決まったら、権利の手続きはだれが確かめるか
曲目が決まったら、手続きの要る要らないを自分たちだけで決めず、「会場」「主催者」「曲目を送る窓口」の順に確かめるのが近道です。確かめる人は、幹事か総務の中の1人に決めておくと、聞き漏らしを防げます。
確かめる順番は3つ
- 会場に聞く:会場が、音楽の使い方について、すでに手続きを済ませている場合があります。「この会場での生演奏は、会場側で手続きが済んでいますか。済んでいない場合、だれが確かめますか」と聞きます。
- 主催者に聞く:会を主催しているのが会社か団体かで、確かめる人が変わります。「この催しの主催者として、音楽の手続きを確かめる担当はどなたですか」と聞きます。
- 曲目が決まった段階で、窓口へ曲目を伝える:曲目の一覧(曲名・演奏する時間・演奏の方法)を、会場または主催者に渡し、「この曲目で、手続きが必要かどうかを教えてください」と聞きます。必要な場合の手続きの名前や費用は、窓口の案内に従います。
確認係を1人決める
幹事または総務の中の1人を、権利の確認係に決めます。確認係がすることは、3つの質問を会場・主催者・窓口に送り、返事を一枚にまとめて、出演者の窓口に渡すことです。
曲目を決める前に、書いておくと早いこと
- 演奏する日時と場所の種類
- 演奏する曲の数と、1曲の長さの目安
- 歌詞を会場に映したり配ったりするかどうか(映す・配る場合は、その方法も窓口に伝えます)
- 録音や配信をするかどうか
当社は法律の専門家ではありません。この節は、確かめる順番と聞き方をまとめたものです。手続きが必要かどうか、費用がいくらかは、会場・主催者・窓口の案内で決まります。
よくある質問
会場の担当が電源の容量を分からないと言います。
分かる範囲で、コンセントの場所と数だけでも聞いてください。容量は機材から逆算してご提案できます。
リハーサルの時間が取れない会場です。
開演前の短い音出しだけにする、演奏の編成を小さくするなどを相談できます。
近隣へのあいさつは、いつまでに済ませればよいですか。
決まった日はありません。開催の1〜2週間前までに掲示や回覧を出す形が多く、会場の管理者に決まりがあれば、それに従います。
音量はどれくらいにすればよいですか。
数字は、地域の決まりと会場の条件で変わるため、ここでは書きません。会場の管理者と自治体の窓口に確かめるところから決めます。
まだ会場が決まっていません。
会場が決まる前でも、候補日と人数の幅だけでご相談を受け付けます。
数字で音の大きさを指定しなくても大丈夫ですか。
大丈夫です。数字は、会場や機材で意味が変わります。「会話ができる音量」のような言葉で決めて、音出しのときに会場の端の席で確かめる形が、いちばん間違いが少なくなります。
歌う時間だけ、音を上げられますか。
上げられます。全員で歌う1曲の時間だけ「全員で歌う音量」にして、終わったらもとの音量に戻します。進行表に書いておくと、音を出す人と司会が同じ紙で動けます。
演奏する人の控え室は、用意が要りますか。
小さな荷物を置ける場所があれば足ります。控え室が取れない会場では、舞台の脇や廊下の一角を決める形でも進められます。会場の状況をお伺いして、お見積りのときにご提案します。
歓談のあいだ、演奏する人は何をしていますか。
音量を下げて演奏を続ける形と、休む形があります。どちらにするかは、会の雰囲気と幹事さんのご希望でお決めいただけます。
時間が押したとき、演奏を全部やめることはできますか。
できます。ただし、その会の目的に関わる曲だけは残すように、区分を前もって決めておくのがおすすめです。
曲を飛ばす判断はだれがしますか。
幹事または司会が決めて、出演者の窓口に伝えます。決める人は、当日の連絡先と役割分担の紙に書いておきます。
時間が余ったらどうしますか。
「入れられたら入れる曲」の区分を使います。余った時間に合わせて、曲を足します。
権利の手続きは、会場と主催者のどちらが確かめますか。
会場や主催者によって違います。会場に先に聞き、会場側で済んでいなければ、主催者に聞く順番がおすすめです。
曲目はいつまでに決めればよいですか。
手続きが必要な場合に間に合うよう、日にちの1か月前までが目安です。日にちが近いときは、先に会場へ聞いてください。
当社に確認を頼めますか。
曲目の一覧をお渡しいただければ、窓口へ聞く文面をいっしょに整えます。手続きの判断は、会場・主催者・窓口の案内に従います。
